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::: 高津教会 説 教 :::


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Name   fujimoto
Subject   どうしても知ってほしい
どうしても知ってほしい
            使徒26:19ー29

 この聖書の箇所は、パウロがアグリッパ王の前で弁明しているところです。すでにエルサレムで、弁明に立つのは2回目です。状況を説明しましょう。パウロが、晩年、聖霊の促しを受けて、ユダヤ教の本拠地のエルサレムに登ることを決心します。伝道旅行の先々で、彼はユダヤ教徒から迫害を受けてきました。しかし、とうとう自分はユダヤ教の本拠地、エルサレムにのぼる決心をします。ギリシャの港ミレトで、エペソの教会の信徒を集めて告別説教をしました。
 「私は、心を縛られて、エルサレムに上る途中です。縄めと苦しみが待っています。けれども、私が自分の走るべき行程を走り尽くし、主イエスから受けた、神の恵みの福音を証しする任務を果たし終えることができるなら、私の生命は少しも惜しいとは思いません。」
 エルサレムへの旅の途中で、カイザリヤによります。そこでも、人々は彼を止めてエルサレムに登らないように頼みます。しかし、パウロの確信は堅く「私は、主イエスの聖名のためなら、エルサレムで縛られることばかりか、死ぬことさえも覚悟しています」と述べるのです。
 事実、彼がエルサレムへ入って1週間もしないうちに、ユダヤ教の指導者にとらえられ、裁判に連れ出されます。まずは、宗教裁判、大祭司アナニヤの前で告発されます。決着はつきませんでしたが、40人が徒党を組んで、「パウロを殺すまでは、飲み食いしない」と誓いを立てるほどの勢いでした。
 いま、エルサレムは、数十年前のイエス様の頃と同じように、ローマ帝国の植民地です。法的な強制力ある裁判は、ユダヤの指導者の大祭司の法廷でなく、植民地を治めるローマ帝国の総督の前で裁かなければなりません。そこで、24章からフェストというローマの総督の前で裁判があり、次に隣の国を治めるアグリッパ王が、このパウロに関心を持って、パウロの弁明を聞きに来る、というが26章です。
 彼の弁明の趣旨は何でしょうか? 本来ならば、「不当な逮捕」というだけで十分なのです。私は、何にも、理由がなく訴えられています。騒乱罪と言われているのですが、エルサレムに来て10日も経っていないのに、騒乱罪のはずがないではないですか。
 これが基本です。もしパウロに弁護士が付いていたら、アドバイスは明確であったはずです。余計なことは、口にせず、徹底して、何もしていない、騒動を起こしていない、このことに終始しよう。他のことには、いっさいふれるな。 
 ところが、パウロは、自分がどのようにキリストに出会ったかを話すのです。それが12節以下です。その後で、キリストについて証しをします。
 19節「こういう訳で、アグリッパ王よ。私は、この天からの啓示に背かず……」
 近くに弁護士がついていたら、頭を抱えてしまったに違いないのです。なぜなら、それは本件と関係がないからです。事実、そばにいたフェストはそこまで聞いてしまいますと、叫びます。
 24節「気が狂っているぞ。パウロ。博学があなたの気を狂わせている」
 ところが、パウロは黙りません。大まじめだというのです。しかも、パウロはアグリッパに個人的に訴えるのです。
 27節「アグリッパ王よ。あなたは預言者を信じておられますか。もちろん信じておられると思います」 
  アグリッパは、筋違いな発言を押さえようとして、叫びます。
 28節「あなたは、わずかなことばで、私をキリスト者にしようとしている」
 すると、パウロはいいます。
 29節「ことばが少なかろうと多かろうと、私が神にねがうことは、あなたばかりでなく、今日私の話を聞いている人がみな、この鎖は別として、私のようになってくれることです」
 パウロは、言いました。「いいえ、筋違いではありません。あなたもイエスさまを信じなさい。」

 裁判的には、決まっていたのです――30〜31節にあるように、パウロは騒乱罪に値することは何もしていません。アグリッパはフェストに言います。
 32節「この人は、もしカイザルに上訴しなかったら、釈放されていたであろうに。」
 筋違いな発言で、ことは難しくなってしまいました。パウロは、ローマ皇帝に直訴をし、ローマに護送され、そこでも裁判を受ける。その裁判の内容は聖書に記されていません。しかし、想像できます。

 どんな弁明といえるのでしょうか。それは、余計な一言なんです。このよけいな証しがなければ、あっさり終わっていたはずなのです。しかしパウロは、証言台に立ち、弁明を求められるたびに、余計な一言を言う。そこで自分の救いを証しします。イエス・キリストのすばらしさ、キリストが神の子であること、やがて来たるべき王であること。そして、信じるように訴えるのです。
 彼は、かつて総督のフェストの前でも同じようにしています(24:25)。使徒の働きを見ると、ペテロが呼び出されて全議会の前で証言をしている箇所が2回、ステパノが呼び出されて弁明をしている箇所が1回、いずれも、最後に余計な一言が付け加わります。ペテロの場合は、「ナザレ人イエス・キリスト、この御名の他に、世界中に私たちが救われるべき名は、与えらていないません」。ステパノの場合は、「見なさい。天が開け、人のことが神の右に立っておられるのが見えます」。
 議会や総督の前で、通用しない言葉、つまり本題とは関係のない余計な一言なのです。しかし、この余計な一言のために、ペテロも、ヨハネも、ステパノも、パウロも生きていました。
 私たちは、余計な一言をもってこの世に生きています。仕事をしていても、社会にあっても、社会が理解しない言葉をもっているのです。本題とは関係ないアジェンダをもっています。キリストを証しすることです。
 マザーテレサは、これをどこにでも出してきた。アメリカの大統領夫妻の主催した朝食会に出たとき、スピーチを求められて、マザーが訴えたのは、なんと、「中絶反対」のメッセージを入れ込みます。大学に招かれたら、男女間の正しい交際、テレビに招かれたら、マスコミの世界で最も一つ要なのは、キリストの愛です、と。
 世界をめぐるマザーにとって、言葉が多かろうが少なかろうが、人びとが神を見上げるように、この苦しい世界で愛に生きるように、キリストの召しに忠実であるように、と。パウロにしても、マザーにしても、よくぞそれほどの勇気があったなあ、と私たちは尻込みしてしまいます。しかし、マザーはインタビューに答えて、こう述べています。
 「マザーあなたのなさっているお仕事は、世界中に知られ、どこの国の大統領でも、あなたを尊敬されているのではないでしょうか。」
 マザーは、答えます
  「いいえ、これは主の働きで、主は私の小ささを用ることで、ご自身の偉大さを示そうと望んでおられるだろうと思います」
 「マザー、あなたはご自分に特別な賜物があるとは思っておられないのですか?」
  「いいえ。私がこれらの働きをしているとは思いません。これはイエスさまの働きで、私はイエスさまの手に握られた小さな鉛筆にすぎないと思っています。」
 主が考えてくださいます。主が書いてくださいます。私は、主の手に握られた鉛筆で、私にできることは、ただ使って頂くために自分を明け渡すだけです。
 反対者に囲まれた中でのパウロの大胆な証しも、マザーの力強い言葉も、すべてそういうことだったのかもしれないと思います。それは、彼らの内側から出てきた力ではなく、単純に主の手の中にある鉛筆として、主に用いられたいという、謙った、明け渡した姿勢から来たものだったのでしょう。

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DATE: 2005.09.16 - 00:09

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