☆聖書のお話――戸塚神学生
皆さん、おはようございます(はい、おはようございます)。 今日のこの礼拝は、子どもたちのための礼拝ね。一年にたった一回しかない礼拝なんですよ。 だから、先生はあなたたちにお話しします。あなたにお話しします。いい? 赤ちゃんはちょっと無理かもしれない。赤ちゃんから高校三年生までいるから、赤ちゃんは解らないかもしんない。 小さい子もこのお話、難しいかもしれない。でもここに座っているあなたたちは解るかもしれない。 中学生は簡単かもしれない。高校生はもう復習かもしれません。 でもね、大切なお話をしますね。
きょう、一年に一回こういう所に来たという人もいるし、普段教会学校しか来ない人ね、こんなに沢山ね、高津教会に来ている人いるんですよ。 普段わからないでしょう。そして皆さんのために、一人ひとり、あの子元気かなぁ、あの子頑張ってんだなぁ、あの子、大変かもしれないなぁってね、一人ひとりのためにお祈りしています。 みんなのためにお祈りしている人たちがこんなに沢山いるんです。 だからいつも教会学校で一人さびしく、また自分たちの仲間たちだけでポツンと座っているようなことがあるかもしれないけれども、でもこんなに沢山の人たちにお祈りされている、応援されているということを覚えていてください。
さて、さっきの聖書のみことば、覚えてる?覚えてないでしょう?(大笑) ローマの何?(12章2節と子どもたち)。さすが。ろーま12章2節。 でも全部言えないよね? でもこれだけ覚えておいてください――(2節)最後の「心の一新によって自分を変えなさい。」 「心の一新によって自分を変える」――これだけ覚えておいてください。
「心の一新」というのは、新しい心を神さまからいただくっていうことです。 新しい心って、神さまからもらうんだけれど、どんな心か? それはね、神さまからのプレゼント。一番大切なプレゼントはね、「優しい心」です。優しい心。 みんな神さまからの「優しい心」のプレゼント、もらった?ああ、よかったねぇ。まだもらってない人、もらっていいの(笑)。もらってください。 どうしたらもらえるか?優しい心をどうしたらねぇ、自分はほんとに優しい心ないなぁって。 でもね、簡単。自分のことだけじゃなくて、ほかの人のことも考えるってだけでいいです――そうすれば、神さまは優しい心をくださいます。
考えるだけじゃなくてね、この男の子のようにね、何か人にね、ちょっとしたことでも助けてあげるっていうことも大事かもしれないね。 助けてあげる時に、ちょっとだけね、自分が損をしなくちゃいけないんですよ。 だからね、せっかく自分がお母さんから作ってもらったお弁当をね、上げちゃったんでしょう。イエスさまに全部。 ほんとは自分が食べるはずなのに、この男の子ね、全部イエスさまに上げちゃったの。ねぇ。 でも「優しい心」を持っていたから、そんなことは平気だったのかもしれない。すごいね、この子ねぇ。 先生だったら、二つパンを持っていたら、一つだけとか、そんな感じですね。 でも(男の子は)全部上げちゃった。 でもそんな全部上げることは無理かもしんないけれども、ちょっと損をして相手に上げるという、それだけで「優しい心」を神さまはくださる。 そういうことを、皆、毎日の生活の中で実際に体験してほしいと思います。
ある教会の先生からこんなお話を聞きました。 その教会の先生が、先生になるためのお勉強をしていた時のことでした。 毎週土曜日ある町の小さなお家で、聖書のお勉強をしている、そういう先生でした。 その小さなお家の隣に、もっと小さなお家があって、そこに7人家族の人が住んでいました――お父さん、お母さん、そして5人の子ども。 五人の子どもは全部男の子。 名前は一番上――小学校5年生、一郎(大笑)。二番目が二郎、三番目が三郎、四番目が四郎(大笑)、一番下がまだ学校に上がっていない五歳の五郎。五郎ちゃん。五人の男の子。 で、だいぶ昔の話でねぇ、まだあんまり今のようにねぇ、ものも食べ物もなかった頃の話でした。
小さなお家で、お父さんとお母さんはお仕事をして、夜帰って来るというお家だったそうです。 それでね、一番上の一郎お兄ちゃんがね、学校から帰って来るとね、下の弟たちのためにおやつを作ったんです。 今みたいにコンビニに行って何かを買うという、そういう時代ではなかった。ものがない時代。信じられないでしょう? 先生もそういう時代を知らない。でもすごく物が足りない時代。
何を作ったかというとホットケーキ。 ホットケーキミックスなんてものはないんだよ。卵もないよ、高いから。小麦粉とお砂糖を混ぜて、ちょっと塩を入れて水で溶いて、そのお兄ちゃん、フライパンに載せて、じゅ〜っと焼いて一つのホットケーキ作るわけ。 そんなにおいしくないかもしんないね。なんか、まずそうだ(笑)。 でもその時は、それしかないんだもの。ホットケーキを焼いて、そしてみんなでおやつの時間。
ところがおやつの時間になるとね、大変。みんな喧嘩。 なぜかって言うとね、お兄ちゃんがね、分けるでしょう。一番大きいのをね、一郎兄ちゃんがね、「俺、作ったんだから」って、これ一番って、取っちゃうわけよ。 そうすると二番目、三番目、四番目は競争して、それを取るわけ。けんかみたいになっちゃって。 もう毎回、おやつの度にケンカみたいになっちゃって。すごいケンカね。 それでね、一番かわいそうなのは五郎ちゃん。自分のね、残ったの小さなかけらみたいな、こんな小さいのしかないの。えっこれ〜? 仕舞いに、ひどい時はねぇ、自分のなんかないの。 みんな先に、一郎兄ちゃんはパクパク食べちゃうしね、二郎兄ちゃんも三郎兄ちゃんも四郎兄ちゃんも食べてるのに、自分のがないの。 もう、わあわあと泣いちゃうわけよ。ねぇ、「ぼくのがない。ぼくのがない」って。 でもみんな、「やったあ〜。うまかったなぁ〜」って言ってるわけですよ。 そんな大騒ぎ。ケンカばっかりのおやつの時間。
だけれどもね、一郎兄ちゃんはね、隣に来ている教会の先生のお話を、ある時聞いたの。 すごいいい話だったの。あまりにもすごいいい話だったので、弟たちに聞かせてあげようと思ったの。 そこは一郎兄ちゃん、優しいかもしんない。ねぇ。弟たちに聞かせてあげたのね。 どんな話だったのか?
「ねぇ、おまえたち、神さまって見たことある?」 「ううん、神さま、見たことない」 「神さま、見たいと思わない?」 「うん、見たい、見たい」「うん、見たい、見たい」ってみんな言うわけね。 「じゃあね、神さまを見る方法をね、教会の先生から教えてもらったから、今から言うぞ。 みんなねぇ、自分のことばかり考えないでね、ほかの人のことのためにね、ちょっと自分が損をすることだって。 そしてほかの人にちょっとおまけを上げるっていう、そういうことをするとねぇ、神さまが見える。 そういうところが天国だよ、っていう風に教わったんだ」って言うわけ。
ほんとにお兄ちゃん反省しているのかねぇ?(大笑)なんかお兄さんが一番そんなこと言っているけどね、偉そうに。 でも、弟たちはそれを聞いてね、「え〜っ、そんなお兄ちゃんの言うことなんか」と思ったらしい。
さて、次のおやつの時間、一郎兄ちゃんはまたフライパンでホットケーキを焼きました。 そしてホットケーキを焼いて、切りました。 そしたらば、なんんと一郎兄ちゃんは神さまのことを見たかったのか、天国を見たかったのか、一番大きいものから、一番大きいのをね、五郎ちゃんに上げたの。そして次、四郎ちゃんに次に大きいのを上げて、そして自分は一番小さいものしか取らなかったわけ。 ね、教会の先生のお話、聞いて、やってみようと思ったのかねぇ? そしたらね、下の弟たちがね、 「気をつけろよ。何か兄ちゃん、考えているんじゃないか(大笑)。騙されんなよ。早く食えよ。早く食えよ。お兄ちゃん、何か考えているぞ。あとでなんかひどいことされるぞ」
ところが次の日も、また次の日も、また次の日も、五郎ちゃんに一番大きいものを、一郎兄ちゃんは一番小さいものを。 そんな日が一週間、10日、二週間続いた時に、二郎兄ちゃんが言いました。 「兄ちゃん、一郎兄ちゃん、何か兄ちゃんのホットケーキ、いつも小さいねぇ。ぼくの少し上げるよ」って、 一郎兄ちゃんのホットケーキの上にそれをポンと載せたわけね。 それを見た三郎君もねぇ、 「ああ、ほんとだ。いつもず〜っと兄ちゃんの一番小さい。じゃあ、ぼくも上げるよ」って、 三郎君も切ってね、その上にホットケーキを載せた。そしたら、四郎君もねぇ、 「ぼくも、じゃあ、ぼくも、お兄ちゃんにあげるよ」って言って、自分のホットケーキをその上に載せた。 そしたら、五郎ちゃんもね、食べていたんだけれどね、一番でかいのをね。 だけどね、食べていたのをまた出してね(え〜っ!と驚きの声)、 「ぼくの上げるよ」と言って、唾がついているのを一郎兄ちゃんの一番上のところにちょこんとのっけたの。ねぇ。
その後ね、みんな、それが終わって、自分のを食べようかと思ったらね、し〜んとなっちゃった。静か〜になっちゃって、誰もしゃべらなくなっちゃった。 よく見たらねぇ、一郎兄ちゃん、なんか目にいっぱい涙を浮かべていた。 「お兄ちゃん。お兄ちゃん、何か泣いてる」 そしたら、二郎君も三郎君も四郎君も五郎ちゃんも、お兄ちゃんの様子を見て、なんかみんな泣いちゃったわけ、そこで。 そこで自然に、みんな涙をぽろぽろぽろぽろ流して、おやつも食べないでね、み〜んな泣いちゃったの。 そして最後、五郎ちゃんは言いました。 「ああ、ぼく、神さまが見えたかもしれない。これが本当の兄弟かもしれないねぇ」って、そう言いました。
天国ってきっとこういうところなんだねぇ。
神さまは私たちに優しい心をくださいます――優しい心は自分のことばかりじゃなくて、相手のことも考える心――それをくださいます。 自分がちょっぴり損しても、相手におまけを上げたあの弟たちのように、みんなも今週、誰かのためにちょっと自分が損して、人に優しい心をプレゼントしてあげてほしいなぁと、そう思います。
隣でね、「消しゴム忘れた〜」ったらね、「嫌だ。減るから嫌だ」なんて言わないのよ(大笑)。ねぇ。 「貸してあげるよ」ってね、ま、ちぎる必要はないけど(大笑)。 給食の時にね、「リンゴ落とした〜」と言えばね、「洗って食えよ」(大笑)なんて言っちゃだめだよ。 ちゃんと「自分のを半分上げようか?」とかね、ま、「洗って来てあげようか」(大笑)とかね、何かしてあげてね。 ちょっとしたことでね、みんな優しい心を神さまからもらえます。 この一週間、いくつ優しい心を、みんなプレゼントしてあげられるかな?
☆お祈り――戸塚神学生
イエスさま、優しい心が欲しいです。困っている人や、悲しんでいる人や、いろんな人がいますけれども、その人のために、神さまからもらった優しい心をプレゼントしてあげることができるようにしてください。
優しい心がまだない人も、「心の一新によって自分を変えて」(CS11月の暗唱聖句のローマ12:2)いただいて、神さまから優しい心を沢山もらえますように、よろしくお願いいたします。
(絵話しで)男の子がイエスさまのためにお弁当を全部上げたように、イエスさまのために何か優しい心を活用することができるように、導いていてください。イエスさまのお名前によってお祈りいたします。アーメン。
|
|
175.133.12.55 - Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; Win64; x64; Trident/7.0; MALNJS; rv:11.0) like Gecko
|