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Name	T・Y

Subject	8/1　ガラテヤ（２２）御霊に応えて生きる　ガラテヤ5：16～26

☆聖書箇所　　　ガラテヤ5：16～26
　16私は言います。御霊によって歩みなさい。そうすれば、肉の欲望を満たすことは決してありません。
17肉が望むことは御霊に逆らい、御霊が望むことは肉に逆らうからです。この二つは互いに対立しているので、あなたがたは願っていることができなくなります。
18御霊によって導かれているなら、あなたがたは律法の下にはいません。
19肉のわざは明らかです。すなわち、淫らな行い、汚れ、好色、
20偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、
21ねたみ、泥酔、遊興、そういった類のものです。以前にも言ったように、今もあなたがたにあらかじめ言っておきます。このようなことをしている者たちは神の国を相続できません。
22しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、
23柔和、自制です。このようなものに反対する律法はありません。
24キリスト・イエスにつく者は、自分の肉を、情欲や欲望とともに十字架につけたのです。
25私たちは、御霊によって生きているのなら、御霊によって進もうではありませんか。
26うぬぼれて、互いに挑み合ったり、ねたみ合ったりしないようにしましょう。

☆説教　　　ガラテヤ（２２）御霊に応えて生きる

今朝の聖書の個所は先週と同じであります。ガラテヤの5章の16節から26節です。
この個所は二つのことが対立的に記されていると申し上げました。
①肉の欲望を満たす。
16節「肉の欲望を満たす」19節「肉のわざ」24節「自分の肉を十字架につけなさい」
②御霊によって歩みなさい。
ちょっと聖書見ていただきますね。（※聖書箇所を示して読む。）
【画面：ガラテヤ5章16節～25節。16節「御霊によって歩みなさい」18節「御霊によって導かれているなら」22節「御霊の実は」25節「御霊によって生きているのなら」に緑のハイライト】

で、パウロの手紙ではこの「肉」と「御霊」というのがいつも対立されます。
「肉」というのは古い私たちであり、「御霊によって生きる私たち」というのは、イエス・キリストにあって救われ、新しく霊の力によって生きる私たちのこと、をお話しいたします。

前回、私（藤本牧師）は「肉」の問題についてお話ししました。
「肉のわざ」というのが（ガラテヤ5章）19節～21節に記されていて、
その大半の部分が、いわゆる高慢に関わるというお話をいたしました。
人は対立し分派を起こし、そして互いに憤りを感じながら離れていく様子というのを、肉の人の特色としてお話ししました。

私（藤本牧師）はそこからコリント第一の3章の「肉の人」という表現に話をつなげていきました。
コリントの教会は人々が分かれている。自分はパウロだ、自分はアポロだと言って分派を作っている。
パウロはそれは結局のところ、自分が自分を他の誰よりも優れているように考えて、「あ、やっぱりアポロの方が正しいよね？」「やっぱりパウロの方が優れているんじゃないか？」と
コリントの教会の人々がそういう風にアポロやパウロを判断する・ジャッジしていくということは高慢ではないか、という話をいたしました。

私（藤本牧師）はそれはそこまででよかったんだろうと思います。
先週お話しました私の説教の流れというのは、後々考えてみて間違っていたんじゃないかと思いまして、今日は間違っていたんじゃないか？ということからお話しいたします。
間違ってしまったことによって、皆さんに誤解を与えてしまったんじゃないかと反省しお詫び申し上げます。

それは、コロナ禍のオンライン礼拝によって、皆さまは様々な教会の礼拝、牧師のお説教を聞く機会を得るようになりました。
そのことは、勿論牧師にとっては一つの危機感になってしまいます。
もしかしたら、自分のこの教会よりも、より良い教会に人々が流れて行ってしまうのではないかと。

そして私（藤本牧師）はそのようにして生まれる、オンライン礼拝を聞いておられる方々の消費者主義的メンタリティー――同じものを買うならこちらのスーパーの方がお得だとか（笑）、やっぱりここのレストランはうまいとか、ここはいいものを出すとか、物を買いに行くわけですから私たちには択ぶ自由があるんですけれども――教会は必ずしもそういう所ではない、というお話をいたしました。

でも、そういう風に話をつなげてしまいますと、高津ではない教会に属しておられながら、このオンライン礼拝に来ておられる方々が、まるで「肉の人」であるかのように決めつけるような論理の流れになってしまいます。

私はそれは明らかに間違った論法だと思うようになりました。
ここに来ておられる方々がどういう事情であれ、真実な生ける水を求めて、色々とネットで調べながら高津に来ておられるなら、それは決して「肉の人」の行いではないですね。
それは消費者主義的なメンタリティーでもないです。
純粋にみことばの渇きを求めておられているんだったらば、そしてここにたどり着いたならば、それは聖霊の導きである。

また私は日頃から高津教会の皆さんに、こうも申し上げてまいりました。
詩篇の1篇の3節です。
「その人は　流れのほとりに植えられた木。時が来ると実を結び　その葉は枯れず　そのなすことはすべて栄える。」
「その人は――神の教えを喜びとする人は――流れのほとりに植えられた木のようだ」というこの「流れ」という言葉は複数形なんですね。単数形ではない。
ですから、高津教会という一つの流れだけでなくして、書物であり、音楽であり、あるいは奉仕であり、聖会であり、キリスト教の様々な流れに根を下ろして、
神さまは幅広く様々な流れを、皆さんのために用意していてくださる。
ぜひそこから良いものを吸収して、ぜひ高津教会で、母教会で、よい実を結んでください、ということを私はいつも申し上げて来ました。

そう考えますと、先週のメッセージの論法というのは、少々いつもの教えと逆行するような意味を含んでいたかなあと思ってお詫びをいたします。
申し訳なかったです。

さて、そこで今日は、この聖書の個所をもう一つ――「御霊の人」。
「御霊の人」という表現は（ガラテヤ）6章の1節に出てまいります。
ちょっと映しますね。
【画面：ガラテヤ6章1節を３行目の「御霊の人であるなたがたは」まで読む】
と、ここに出て来るんです。
＜ガラテヤ6：1＞
1兄弟たち。もしだれかが何かの過ちに陥っていることが分かったなら、御霊の人であるあなたがたは、柔和な心でその人を正してあげなさい。……

で、5章の16節からず～っと「御霊によって歩みなさい」（16節）、「御霊に導かれているなら」（18節）、「御霊の実は」（22節）、「御霊によって生きているなら」（25節）と続きます。

パウロは言います。
「御霊によって導かれる」（18節）――導かれるというのは受動的ですよね。
御霊が私たちを導いてくださり、私たちは導かれていくんです。
聖霊が先導してくださり、招いてくださり、それに応えるかのように、私たちは聖霊の促しに心を開いていく。聖霊の招きに心を開いていく。
そういう御霊に敏感な人。御霊を身近に感じる人に先ずならなければならないという話をいたします。
今日の説教のポイントは２つです。

１）御霊を身近に感じる人になろう。

十年ぐらい前に話をしたことがあるんですが、アメリカの話ですね。
三歳ぐらいの男の子がお母さんと一緒にスーパーに行き、そしてカートに乗せられてスーパーの中を回るんですね。
「いいわね、今日はチョコレートチップクッキー絶対買わないから」と先に前々もって言っておくんですね。
「お願いするだけ無駄だから、お母さん、絶対買わないわよ」
と、スーパーに入ったんですね。
カートに男の子を乗せたまま、売り場の通路を行き来しているんですね。カートがお菓子のコーナーを通る度に、
「ねぇお母さん、お母さんったら」
「だから言ったでしょう。絶対買わないって」
男の子はシュンとして、お母さんはなるべくその通路に行かないようにする。
ところが、また近くまで行きますと、男の子はお母さんの目をちらと見て、じ～っとチョコレートチップクッキーを眺めているんですね。
お母さんは「買わない。買わないわよ」と。
男の子はお母さんの目を見て言いました。
「ねぇ、お母さん。お願い。お願いだから。イエスさまの御名によってお願いだから」（笑）

「イエスさまの御名によってお願い」――そういう手があるんですよね。（笑）
この話というのは、良くも悪くも理解できます。
悪く解釈するとしたら、私たちはそうやって自分の願いに「イエスの御名」というお墨付きをもらって、イエスの御名を使うことによって、自分の乱暴な願いを押し通そうとする、という意味でのたとえ話に使うこともできます。

でもよく解釈するなら、良く解釈することもできるんですよ。
それは、今の話を聞いた時に、私たちは必ずしも悪い話だとは思いませんでしたでしょう？　
それは子どもだからですね。そして、子どもは素直だからです。
プラス、イエスさまの御名というものを日常的に感じているのが子どもです。

先週のオンライン祈祷会で、IDさん、Nさん、そしてRくんも出席していました。
ずっとRくんも出席していてくれるんです――（Rくんの成長が楽しみです）。
先週、皆さんに祈りの課題をお願いして祈ってもらうんですが、
Dさんにお願いして、一つ祈ってくださった最後に「アーメン」と言ったら、Rくんがいきなり大きな声で何か言ったんですよね。（笑）
オンラインの祈祷会でRくんが泣くのを見たこともない。泣きそうになると、お母さんがあやしてちょっと離れますから。
オンラインで大きな声を上げたのは、私（藤本牧師）初めてだろうなと思いました。
ようやくハイハイが始まったくらいですよね。
私はRくんの大きな声が「アーメン」に聞こえました。
お祈りの最後にタイミングよく大きな声を出すわけですから。

想像してみますと、Iさん二人ですから、ご飯の時には必ずお祈りしますでしょう。そして一緒に「アーメン」と言いますでしょう。
Rくんの世界はまだ小さいんですよ。ほとんど家庭というだけの世界なんですよね。
ようやくハイハイが始まって、近くの公園、なるべく日陰を、夕方を。
お祈りはでも身近なんですよ。
Rくんの世界にとって、お祈りっていうのはものすごく身近で、その最後の「アーメン」も身近なんですね。
お祈りと「アーメン」がRくんの世界のかなり大きな部分を占めているんだなぁということを、私（藤本牧師）は何となく感じました。
それが実感するってことじゃないですか？

私たち大人は広い世界を持っています。広い世界と関わって生きています。ですから沢山の問題を抱えます。
その中で、どれほどイエスさまの御名を使っているのか？と言われれば、それは大きな疑問ですね。
祈ることができない状態もあるでしょう。でもそういう状態にあっても、聖書は「聖霊はあなたのためにとりなして祈っていてくださる」（と言う）。
そのことを実感して、この広い世界で私たちは生きているのか？と言えば、それは、ほとんど意識していないですよ。
自分がうまくいったのか、うまくいかなかったのかって大きなことですし、どうやってこの局面を乗り切るか、「私たちの言いようもない祈りの思いを、聖霊は呻きをもってとり成してくださる」なんて考えたこともないから、だから聖霊が実感できないわけですよね。
肉の問題が人生の大半を占めているなら、聖霊は実感できないでしょう。
世界はあまりにも広いものでしょうし、問題課題があまりにも多ければ、複雑であれば、何となく聖霊は遠のいてしまいます。

御霊は神のいのちを私たちの内側から育んでくださいます。
それが聖書をちょっと見てくださいね。
（ガラテヤ5章）22節の、「御霊の実は」というのは、そういう意味ですね。
【画面：ガラテヤ5章22～23節。22節「御霊の実は」に緑のハイライト】

22しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、
23柔和、自制です。……

「御霊の実は」というのは、神のいのちが私たちの内側に宿る。
「御霊の実」は、肉的な私たちから生じませんから、神のいのちが私たちの内側から、いのちのエネルギーの発露として、御霊の実は私たちの外側に出て来る。
最初は小さいでしょう。実ですから。
でも小さな種のような状況から、だんだんだんだん育ってくる、ということはどういうことか？
それは私たちの「内側にあるキリストのいのち」の開花です。結実ですね。
「御霊によって生きる」とは、聖霊によって生かされている、ということです。
「私」に神経を集中しないで、私のうちに生きて働いてくださる御霊の声に耳を傾け、この方の力に依り頼むということを、ま、言うなればRくんのように（笑）。
私たちの世界がどんなに広くても、どんなに複雑であったとしても、
私たちの霊の世界は、礼くんのように、祈りが幅広く心の中を占めているならば、私たちは御霊の人となることができ、
自然に、キリストのいのちは、私たちの内側から開花して来るんだろうと思います。

２）「御霊の人」は、「肉の人」であることを私が示された時に、それを改めることができる。

「御霊の人」は御霊の声に敏感だ、ということです。いいですか。
私が「肉」の問題に凝り固まっていく時に、御霊はそのことを教えてくれますよね。
あまりにも「肉」の世界のことだけに凝り固まっていく時に、私たちは御霊の声を聞きます。
「御霊の人」は聖霊の促しに耳を傾けることができる。

初期の救世軍で、讃美歌を沢山作りましたアルバート・オズバーンという人物がいます。
彼はイギリス人でロンドンを中心とした伝道者でありました。
ロンドンの一角で指揮官――救世軍なのでそのような呼び方をしますけれども――として任命を受けました。
祝された教区で、彼のもとで大きなリバイバルが始まっていきます。
教区は膨れ上がってしまいます。

ところがある日、救世軍の本営に呼び出されます。
そして大きくなった教区を分割するように指令を受けます。
だんだんそういう噂は彼も知っていました。
でも呼び出されて、突如としてその要請を聞きますと、彼の心の中には「分割してほしくない」という思いが急に沸き起こったと言うんですね。
これまで自分が手塩にかけて大きくして、自分の活躍の場を見出してきた教区だという自負があった。
気が付くと、彼は本営の上層部と激しく議論をしていた。

後に振り返って、彼はこう述べています。
「不覚にも私は、神の御国のためではなく、御国における自分の立場のために闘っていました。それは聖霊を悲しませることでした。」
（※聖霊が冷たくなっていくのが、彼には感じることができたんですよね、と説明を入れる）

そんな折りに、彼は交通事故に遭ってしまいます。いいですか。

「気が付いてみたら、病院にいました。回復するのに、長い時間がかかりました。憐れみ深い聖霊は、再び私の心にその手を伸ばしてこられました。ある日、隣の部屋で誰かが歌う声を聞きました。神の栄光を賛美する歌でした。私は歌声に心を揺さぶられ、神との親密な交わりをもう一度取り戻したいという思いに駆られました。悔い改めの思いが心から溢れてきて、涙が止まりませんでした。神は赦してくださり、聖霊が再び来られ、私の心のうちを新たに充たしてくださいました。

そうしてオズバーンは床の上に座って、新しい讃美歌を作るんですね。

何となく救世軍の本営で喧嘩状態にあった。
そこにたまたま交通事故があった。
そして病室で誰かが讃美歌を歌うのを聞き、彼も神さまのことを思い起こし、聖霊の声を聴きながら悔い改めた。

私（藤本牧師）が彼の牧師であって、彼を見舞いに行って、彼がそういう話をしたら、
「ま、新しく讃美歌ができたのはいいですし、そのようにして元気になってきたのはよかったですね」と（言うでしょう）。
「でも、あまり交通事故と、自分が本営に呼び出されて議論したということは、密接に考えないようにしてくださいね」と、
「交通事故はあくまで相手側かこちら側の不注意ですから、神さまは罰を与えるようなお方ではありませんので、それは繋げないでくださいね」
と、こう言っちゃいますよね。
私（藤本牧師）、そういう風に言ってきた覚えもないわけではないと思いますね。

そういう風にもし私が言ったら、皆さんそれを無視してください（笑）。
いいですか。
なぜならね、聖霊が語りかけている時に、その牧師の良識的な言葉って何の意味があるんですか？
御霊の人であるあなたがたは、牧師がよく言うところの正当的な論理――それを慰めと受け止めてくだされば、それはそれでいいんですよ――だけどそれにも増して自分の内側から湧き上がってくる聖霊の促しというのは、もっと直接に、もっと心の底から皆さんに感謝を与え、皆さんに力と慰めを与えるものなのですよ。
「御霊の人であるあなたがたは」と言った時に、人の声以上に聖霊の声は不思議に皆さんに近づいて来る。
それを退けない。それに心を開いて、「そうだ、讃美歌の一つでも作ってみよう」と思ったら（笑）、まさに御霊の人だなぁと思いますね。
讃美歌が作れないなら、それをもって「そうだ、家族に手紙を書こう」と思えば、病室からの一筆は、聖霊の力の込められたお葉書になると思います。

☆お祈りをいたします――藤本牧師
18御霊によって導かれているなら、あなたがたは律法の下にはいません。
22御霊の実は愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、
23柔和、自制です。……
25私たちは、御霊によって生きているのなら、御霊によって進もうではありませんか。
（ガラテヤ5章18節、22節、23節前半、25節）

ああ、主よ。どれほど頻繁に私たちは日常生活の中で、御霊を感じているのでしょうか？御霊がよく分からない。御霊のことが分からないという以前に、どれほど頻繁に私たちは、日常生活に祈りを持ち込んで来ているのでしょうか？そして祈ることのできない言葉を、御霊の取り成しに委ねているのでしょうか？

どれほど頻繁に、御霊は私たちの日常に入り込んできて、そして声をかけてくださる、肉なる心に凝り固まろうとしている私たちに声をかけてくださっている、という現実にもっと気が付くことができますように。そしてもっと素直に御霊の促しに従うことができますようにお助けください。愛するイエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン。

☆祝祷－－藤本牧師（※右手を挙げて）
（※戸塚伝道師は頌栄の間に降壇、ピアノの横に講壇に向かって立つ）
願わくは、主イエス・キリストの恵み、父なる神の愛、聖霊の親しい交わりが、私たち一同と共に、今よりとこしえまでありますように。アーメン。