::: 高津教会　説教 :::

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Name	fujimoto

Subject	子どもの礼拝：ろばの子

子ども祝福の礼拝　　　　　　　　　　　　　
   マタイ２１：１ー３

　イエスさまは、これから救い主として、王様としてエルサレムに入ります。そのとき、イエスさまは、ある乗り物を選ばれました。イエスさまをお乗せしたのは、ロバです。子どものロバです。今だったら、どんな車に乗って、入っていくのでしょうか。黒い大きな車が、何台も何台も続くでしょう。　昔です。普通、王様は馬に乗ってお城にはいります。真っ黒の、ぴかぴかの毛並みが整った雄の馬です。馬を見たことがある？　先生は、昔、馬事公苑にいったら、たまたま「やぶさめ」というのをやっていたのを見たことがあります。３００ｍぐらいの直線コース。そこを馬がすごい勢いで駆け抜けていくの。馬に乗っている人が弓を引いて、ずばーっと的を射る。３００ｍぐらいの間に、的が２箇所ぐらいあって、それをすごく近くで見るんだよ。
　すごいよ。馬の早さ、勢い、力強さ、筋肉。聖書の中でも、馬は神さまが作られた動物の中でも特に力強い、不思議な動物だと言われています。
　王様やえらい人は、馬に乗ります。ロバには乗らない。ロバには乗れないかも。かっこよくない。またげない。でも、イエスさまは、馬ではなくて、ろばを選んでくださいました。いつか、みんな神さまのお役に立つときが来ます。神さまが、みんなを使ってくださいます。でも、神さまは立派な馬を使うわけではない。ロバを使います。かっこいい人、素敵な人、強い人、頭が良い人、何でもできる人･･･そういう人がイエスさまに選ばれるわけではありません。イエスさまは、普通の人を使ってくださいます。
　いつ使ってくださるかわかりません。でも、イエスさまが私を使ってくださるとわかると嬉しいものです。イエスさまのお役に立っていることほど、うれしいことはないんです。
　先生が手に持っている聖書を見てご覧。教会の小林さんというおじいさん、自分の手で全部書き写したんです。何年かかると思う？　最後までできる？　おじいさんは、ある日、礼拝で聞いた聖書のお話しを書き写していました。たくさん書いたでしょうね。そのうち、聖書を全部書き写してみようと思ったんです。不思議ですよね。普通の人は、そんなことを思わない。おじいさんは、毎日、１０時間、１１時間と聖書を書き写しています。苦しくないそうです。「どうして、苦しくないんですか？」「いえ、神さまが力をくださるから、それが楽しい」っておじいさんはおっしゃいます。
　ぼくは思うんです。神さまを信じていると言いながら、大人もあまり聖書を読まない。聖書が神の言葉だと、本気で信じていないのかもしれない。そんな中で、本気で信じて、命をかける人を見せて、みんなに見せてあげよう、とイエスさまは思って、おじいさんに声をかけたんだと先生は思います。
　「見てご覧。聖書って、こんなに大切なんだよ。こんなにすごいんだよ。聖書言葉を本気で信じる人は、力を得るんだよ」

　ねえ、イエスさまに声をかけてもらったロバの持ち主は、節を見ると、「すぐに渡してくれる」んです。イエスさま、あなたのお役に立てるのなら、すぐに、よろこんで、どんなことでもって。そういう気持ちが、「すぐに渡してくれる」ということでしょう。どういうふうに使ってもらえるかはわからない。でも、お役に立てるのなら、喜んで、という気持ちです。そういう気持ちを持っている人を、イエスさまは使ってくださる。

　クリスマスツリーに飾る銀のモールって、知っているでしょう。シリヤという国に、こんな伝説があるんです。
　イエスさまが誕生されてまもなく、当時の悪いヘロデ王がイエスさまを殺そうといのちをねらいます。ヨセフさんとマリヤさんは、赤ちゃんのイエスさまをつれてエジプトに逃げます。その旅の途中、夜を過ごすために小さな洞穴に入りました。そこには1匹のクモがいました。
  寒い夜、クモはこう思いました。「幼いイエス様が風邪をひかないようにしなければならない」。
　そこで、クモは洞穴の入口にくもの巣を張ったのです。そんなことで寒さをしのげるわけではありませんが、クモはそんなことはおかまいなし。いっしょうけんめい、イエス様のために、自分のできることをしたのです。
　真夜中のこと、ヘロデの兵隊がイエス様を追って、その洞穴までやって来ました。もう絶体絶命です。ところが、兵隊はこう言ったのです。
　「この洞穴にはクモの巣が張っている。中に人がいるはずはない」。
　こうして兵隊たちは別のところへ行ってしまいました。洞穴の入口には夜露をいっぱいにたたえたクモの巣が月の光の中でピカピカと輝いていました。
　クリスマスツリーに掛けられる銀のモールや金のモールは、この時のクモの糸を表わしていると言われます。シリアに昔から伝わるこのお話ね。クモは、自分がイエスさまのためにできる精一杯のことをしました。それがいったい何の役に立つのだろうか、と思われるようなことでした。他の人が見たらばかばかしく思えることでした。でも、イエスさまのために喜んで、何でも、という気持ちを、神さまは用いてくださったのです。それは、子ロバの気持ち、ロバの持ち主の気持ちだったんです。
  みんながイエスさまのために何かをしようとするとき、どんな小さな事でも、神さまはそれを用いてくださいます。絶対に、神さまはそれを無駄にはされません。

DATE: 2004.11.18 - 09:49

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