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::: 高津教会 説 教 :::


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Name   fujimoto
Subject   父よ、彼らをおゆるしください
父よ、彼らをおゆるしください
     ルカ23:33−38

 今週の水曜日は、カトリック教会では「灰の水曜日」といわれています。この日から、最後の晩餐の木曜日までの40日間が、十字架を迎えるための四旬節といわれています。受難節です。昨年のこの日、アメリカで「パッション」が公開されました。メル・ギブソン監督による、主が十字架にかかるまでの1日を描いた作品です。宗教映画としては、空前のヒットを、この四旬節に記録しました。
 今日の日曜日から数えて、受難週まで7回の日曜日があります。その7回で、聖書に記録されている、十字架上でイエスさまが語られた七つの言葉を学んでいきたいと思うのです。
 十字架にかけられたイエスさまが、苦しみの中で発せられた言葉の第一が、「父よ彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか自分でわからないからです」でした。この不思議な言葉は、十字架の意味を最もよくあらわしていると言われているのです。なぜなら、この言葉に、人間の罪のありさまが象徴され、その罪を背負って十字架にかかったイエスの愛がこれほどみごとに表されているからです。

1)何をしているのかわからない人の罪です
 映画「パッション」で、どの場面に一番、衝撃を受けたでしょうか。アメリカで公開されたときに、中には心臓発作を起こした人もいました。十字架の意味がわからない日本の人々にとって、ただ残虐な、目を覆いたくなるようなシーンだけが目についたかもしれません。
 私にとって、イエスさまを鞭打つローマ兵の残虐さが一番衝撃的でした。人はどこまで残虐になれるのか、その闇の深さに慄然としたのです。鞭打ちの刑の執行人たちは、イエスさまが誰であるかも知りませんでした。それなのにこれでもかこれでもかと鞭をしならせイエスの背中を鞭打ち肉を抉り取るのです。執行人の目は血に飢えた残酷な色に変わっていきます。あたりはバケツをひっくり返したように血の海となり、鞭打ちだけで殺しかねないところまで行ったとき、「やめろ!」と上官の制止の声に、暴走する執行人がふと我に返る場面がとても印象的でした。彼らは何をしているのか自分で分らなかったのです。
 主が、十字架上で、「彼らをおゆるしください」と祈りました。彼らとは、自分を十字架につけた「彼ら」です。イエスに対して殺意を抱き続けてきた当時のユダヤ教指導者たち、その扇動にのって「イエスを十字架につけろ」と叫んだ群衆、刑を執行するローマの兵士たちがその「彼ら」です。
 しかし、それだけなのでしょうか?いや、そこにはイエスを裏切ったユダが含まれていたはずです。ユダを12弟子の一人に選んだのは、他でもないイエスさまご自身でした。しかも、群れのお金の管理を任されたほど信頼もされていたのです。イエスさまが、5つのパンと2匹の魚で数千人の人々のおなかを満たした時、ユダは、パンの籠を持って人々に食べ物を配っています。弟子たちの乗った船が湖の突風で沈みそうになった時も、ユダは船のへりに必死でしがみついて水をかき出していました。イエスがその嵐を、「静まれ!」と一喝され嵐を静めたのも目撃しているのです。
 しかし、ユダの理想とは違う道を主が歩み始めた時、心変わりしたのです。彼が期待していたのは、祖国をローマ帝国の圧制から救い出す政治的な指導者でしたから、イエスが弱者と共に生き、小さき者を愛するに至って失望を感じ始めていたことでしょう。だとすれば、師の元を静かに去っていけばよいのです。しかし、現実は、ユダは、イエスをお金で売り渡すのです。なぜ?なのでしょう。――わかりません。しかし、それこそが、人間の罪の深さなのです。
  もちろん、イエスを殺す機会を付け狙っていたユダヤ教の指導者の罪は重いでしょう。しかし、人間の哀しさは、魔がさしたような、突然の行動の中に現れます。何をしているのかわからないように、神を裏切っていく、それが私たちの心に潜んでいる深い闇です。
 イエスさまの弟子の中で、裏切ったのはユダだけではありませんでした。ペテロも同じように卑劣でした。十字架にかかる前、最後の晩餐の席で、主に向かって、「たとえ死んでも、あなたについて行きます」と自信たっぷりに語った彼が、主が捕らえられるや、自分に害が及ぶのを恐れるあまり「そんなやつは知らない」と、三度も主であるイエスを拒むのです。それもまた、咄嗟の出来事でした。罪のどうしょうもない「罪深さ」はまさにそのようなところにあります。
 「父よ、彼らをおゆるしください」――その彼らの中に、ローマの兵士もユダもペテロも、そして私たちも含まれています。何をしているのかわからないで、罪の闇に足を取られる私たちが。何をしているのか自分では分らず、ただ、羊のようにさまよい、自分勝手な道に向かって行った私たちが。イエスさまは、そんな私たちの罪を背負い、背負いながら、その赦しを神に乞われたのです。この祈りは、私のためにあるのです。

2)しかし、同時に、この祈りは主ご自身のためにあったように、私は思います。
 マルコの福音書で、主は受難週に弟子たちに祈りについて教えておられます。
 11:25「また立って祈っているとき、誰かに対して恨み事があったら、赦してやりなさい。そうすれば、天におられるあなたがたの父も、あなたがたの罪を赦してくださいます。」
 この教えを、教会は非常に大切に捕らえてきました。映画でご覧になったことがあると思いますが、欧米などのキリスト教の国では、死刑が執行される前に神父か牧師が、呼ばれて、最後の祈りをします。祈りと言うよりも、いわゆる、告白聴聞というものです。「もうあなたの最後です。告白する罪はありますか」。
 そして、もう一つの質問がなされます。「まだ地上で赦していない人はいませんか。」
 この後半の質問は、興味深いのです。あなたが、この世で、まだ赦していない人はいませんか。当然、この質問は、この25節から来ているわけです。赦されることも大切ですが、どれほど「赦す」ということが大切なのか、十字架のイエスさまは、ご自身が模範を示すように赦しておられるのではないでしょうか。
 ヘブル人への手紙にありますように、イエス様は、罪のない方でありました。もちろん、誘惑と戦ってこられました。荒野において、ゲッセマネの園で。しかし、最後、罪のないキリストが、罪のかげりをもつ落とし穴があるとすれば、この十字架の上でした。ご自分に対してこのような仕打ちをする人々に、どのような感情を抱くのでしょうか。自分を裏切ったユダに対して、偽証の裁判で死刑をきめたユダヤ人指導者に対して、顔を殴ったローマの兵士に対して、十字架につけろと叫んだ、群衆に対して、嘲る道行く人々に対して。
 イエス様が、どのような感情を抱いて、息を引き取られるのか。――怒りか、憤りか、恨みか、怨念か。そのとき、主はおっしゃいました。「父よ。彼らをお赦しください。」そう祈られて、主はいっさいの憤りと恨みを追い出すかのように、これだけのことをされながら、彼らにはいっさい恨みはもたない、と宣言するかのように、おっしゃった。
 「父よ。彼らをお赦しください。
 父よ。私は彼らを赦します。」
 赦さないなら、イエス様は一つのかげりをもって天国に行かれたことになります。一点のかげりも、欲しくない。イエス様は、自分を十字架にかけた彼らを赦して、息を引き取られました。
 やがて、ステパノをはじめとして、この祈りを殉教者たちは、繰り返してきました。殉教したちは、主の祈りを唱え、使徒信条を唱えて、自分の信仰を告白し、最後に、自分を刑に処する者を赦して天に召されていったのです。何をしているのか自分でわからない私たちを、十字架のイエスさまは赦してくださいました。やがて、私たちは、十字架のイエスさまに倣って、赦すのでしょう。人を赦して、一点のかげりもない、純白な心で、神の御前に立ちたいと願います。

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DATE: 2005.02.11 - 12:27

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Taishi 簡単意見修正::: 一言削除 ::: IP: 218.41.136.15
イエス様、私の心を雪のように純白してください。
2009.03.04 - 22:17 
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