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::: 高津教会 説 教 :::


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Name   fujimoto
Subject   教会総会の礼拝説教
「自分のために」ではなく     2003.1.27
T列王12:25−33

                    ●序

 今朝開いていただきました聖書の箇所は、旧約のイスラエルの歴史を二つに分けた、大きな歴史的な出来事です。ダビデの息子、ソロモンがイスラエルの王となった時点で、イスラエルの国は安定期に入りました。政治・外交的にも、経済的にも大きな繁栄期を迎えます。知恵の賜物を受けたソロモンに謁見を求めて世界中から人々がやってきて、王の前には貢ぎ物の行列ができます。しかし、豊かさの中で堕落していくソロモンは、諸国から女性を集めては妻とし、女性たちが持ち込んだ異教の神々を拝んで、偶像礼拝に走るようになります。
  このことの裁きとして、神はソロモンの王国を二つに分裂させます。息子レハブアムは、12部族のうち、わずか2部族。これが南のユダの王国になります。そして、ソロモンの参謀であったヤロブアムが北の10の部族を取って、王国を引き継ぐことになります。

                  ●歴史上の出来事

 この分裂の出来事が、歴史的に描かれているのが12章です。ここで父ソロモンの死の後、王になったレハブアムのところに長老たちがやってきて、相談します。
「あなたの父上は、私たちのくびきをかたくしました。今、あなたは、父上が私たちに負わせた」過酷な労働と思いくびきを軽くしてください」(一二・四)。
 長老は、それなりに神殿の建設、そして宮殿の建 設で疲れ切っていた国民の現状を見抜いていたのです。ところがレハブアムは、長老の意見に耳を傾けず、経験のない、自分とともに育った、同世代の意見に耳を傾けます。
 その結果、レハブアムの口から「私の父はおまえたちに重いくびきを負わせたが、私はおまえたちのくびきをもっと重くしよう」(一一節)という信じられない言葉が出てきます。しかも、「王は荒々しく民に答えた」(一三節)とあります。
 このまったく誤った判断故に、民の心はレハブアムから離れていきます。そうして、10の部族がヤロブアムにつきます。

                    ●神の期待

 これはあくまでも表面的な歴史の出来事でした。そして11章にも12章にも、それが実際は神のご計画であったと記されています。ヤロブアムは、神に召されたのです。
「わたしがあなたを召したなら、あなたは自分の望み通りに王となり、イスラエルを治める王とならなければならない」(一一・三八)
 彼は、神に召されて王となりました。神はダビデの家にはこだわらないとおっしゃいます。
「もし、わたしが命じるすべてのことをあなたが聞き従い、わたしの道に歩むなら……わたしはあなたとともにおり、わたしがダビデのために立てたように、長く続く家をあなたのために建て、イスラエルをあなたに与えよう」(三九節)。

                                ●ヤロブアムの罪

 そこまでヤロブアムは期待され、祝福の約束を受けているのです。にもかかわらず、いいですか、にもかかわらず、旧約聖書には、「ヤロブアムの罪」「ヤロブアムが犯した罪」ということばが、連続して出てきます。北のイスラエルの王、御心にかなわない王が登場するたびに、聖書の記述は、「彼はヤロブアムの道を離れなかった、彼はヤロブアムの犯した罪よりも、大きな罪を犯した」と。
 神に召されたはずのヤロブアムですが、そこまでいわれる彼の罪とは何でしょう? それが今朝読んでいただきました。一三・二五からはじまります。
 どんなに多くの部族を従えていたとしても、ヤロブアムには心配事がありました。
「今のままなら、この王国はダビデの家に戻るだろう」(二六節)。
 大きな部族と領土を抱えても、小さな南のユダにエルサレムの神殿があるのです。すると、祭りのたびごとに、主の神殿をしたって、北の人たちは南のエルサレムに上っていきます。そしていつの間にか、南のユダの王国になびいてしまうに違いない――それがヤロブアムの心配でした。
 そこで彼は、、金の子牛を2つ作って、広い北の王国の上と下、ダンとベテルに置いて、独自の神殿を造ったのです。それは偶像礼拝です。
 しかし聖書は、独特にこの展開を説明しています。
 まず、二八節の「王は相談して」です。彼は礼拝という霊的な、そして最も大切なことについて、神と相談したのではありません。ダビデに期待したようにヤロブアムに期待した神は、ダビデのように、御自身に尋ね来るのを待っておられたのです。しかし、ヤロブアムは神に向きませんでした。
 次に、三一節の「レビの子孫ではない一般の民の中から祭司を任命したという、これもま自分なりの工夫です。いきなり宗教的な体制を整えることは大変な無理があります。しかし、彼は事を急ぐあまりに、きわめて乱暴なやり方で祭司制をにわかに建てあげました。
 そして、三三節にきわめて象徴的な表現が出てきます。「自分で勝手に考え出した月」。彼は礼拝そのものを、自分なりに勝手に考えたのです。

                    ●事の真相

 ヤロブアムは、考えなければなりませんでした。窮地に立っているのです。問題は深刻です。このままでは、民はみんな、南になびいていきます。彼は自分が神によって召されたことも知っています。急に国が分裂し、政治経済の体制を確立しなければならないだけでなく、信仰のよりどころを明確にし、神の民であるイスラエルの礼拝制度を新たに制定しなければならないのです。どうしようもなく、彼はあわてたはずです。そして人々を呼び集めては、相談を繰り返したでしょう。
 しかし、この迫り来る現実の中で、神はヤロブアムの心を見抜いておられました。
 神がヤロブアムの罪を責めておられる箇所で、それが事の真相が言い当てられています。
 「あなたはこれまでのだれよりも悪いことをし、行って、自分のために他の神々と……」(一四・九)。
  彼が考えた礼拝は、所詮「自分のため」だったのです。これが事の真相でした。神に召され、新しい国の建設を命ぜられたヤロブアムです。しかし、この時点で神は見抜いておられました。彼の心を占めるものは、自分の地位であり立場であり、都合だったのです。
 人間中心、自己中心の考えは、私たち人間の営むすべてのことに出てきます。それは、礼拝や教会の運営であったとしても、例外ではないのです。
 
                    ●神のことを思いつつ

 イエスがはじめて、やがて人々から捨てられ、殺されるのだと受難の予告されたとき、ペテロは主を脇に連れて、いさめました。「とんでもないことです。あり得ないことです。」と。すると、主はペテロに厳しくおっしゃいました。
 「下がれ、サタン。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている」。
 それは厳しいことばでした。それはペテロだけではなく、すべてのことにおいて、神のことを思わず、人のこと、自分のことを思って、物事を成し遂げていく私たちに対する厳しい警戒です。
 今年一年もまた、高津にあって共に主を礼拝し、共に主にあって成長する私たちは、神に召されたのです。神の期待がかかっています。ですから、私たちの礼拝は、自分のために、勝手に考えません。私たちの教会運営は、私たちの都合ではなく、主の御心を祈り求めて、相談するのです。
 事の真相が、いつも「神の御心」でありますように。互いに謙って、主の召しにふさわしく教会を考えていきましょう。

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DATE: 2003.01.26 - 19:24

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