名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
名前検索
::: 高津教会 説 教 :::


394 3133 統計カウンターの表示   管理者で接続
Name   fujimoto
Subject   ギデオン――祈りの中から生まれる勇士
ギデオン――祈りの中から生まれる勇士
       士師6:11−27

 今日は、世界中に聖書を頒布している団体ギデオンの片桐さんを私たちの礼拝にお迎えすることができました。ですから、祈りのシリーズでギデオンから学ぶことにしましょう。
  ギデオンは士師の一人でした。ヨシュアの指導の元に、イスラエル一二部族は、カナンの地を征服し、それぞれに割り当て地を占領します。ヨシュアの後に指導者はいませんでした。敵から攻められることもあり、民が信仰的に堕落したら、様々な困難を通るたびに、神は士師(裁き司)を立ててイスラエルを助けます。
 その一人がギデオンです。彼は、イスラエルがさんざんミデヤン人に攻撃されている時代に起こされた士師です。ギデオンとは、「打つ者」「戦士」「勇者」という意味です。そして、今日の祈りの学びは、どのようにして彼が祈りの中で戦士として成長していったかをご覧いただきます。
 というのは、ギデオンは勇士ではありませんでした。一二節で突然主の使いが彼のところ現れて、「勇士よ。主があなたにいっしょにおられる」と言いますが、しかし、この挨拶は、彼には不本意でした。なぜなら彼は、一一節「ミデヤン人からのがれて」、隠れるように、見つからないように、そっと酒ぶねで小麦を打っていたからです。
 ごく普通の臆病な心をもっていたギデオンが、祈りの中で勇士として成長していきます。その祈りには三つの注目すべきポイントがありました。

             ●祈りは嘆きとともに

 第一に、祈りは、「ああ、主よ」という嘆きから始まりました。二回ともです。
 一三節「ああ、主よ。もし主が私たちと一緒におられる のなら、なぜこれらのことがみな……」
  ――これはギデオンとイスラエルが置かれている現状に対する嘆きです。
 一五節「ああ、主よ。私にどのようにしてイスラエルを救うことができましょう」
  ――立て続けに、こんどは自分の力量、自分の能力に対する嘆きです。
 ギデオンの祈りは嘆きです。それはつぶやきでした。聖書では、不平を言うなと教えられています。
ピリピ二・一三「すべてのことを、つぶやかずに、疑わずに行いなさい」。
Tテサロニケ五・一六〜一八「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべてのことに感謝しなさい」。
 いずれもパウロのことばです。しかし、たとえばパウロが、自分の体の棘を主よ、取り除いてくださいと、三度祈ったとき、「主のなぜですか、いつですか、いつまでですか」という気持ちがあったはずです。それを不平と呼ぶか否かは別として、そこには訴えがありました。不平とすれば、否定的な響きがあります。訴えとすれば、もう少し肯定的になります。どちらを使うか……。どちらにしても、聖書の中の多くの場合、不平が、神様と私たちの関係をつないでいるのです。この事実を忘れてはいけません。不平は、ある意味で信仰が生きている証拠なのです。
 数年前、礼拝のシリーズで「神への不平」と題して学んだことがあります。その最初が、不平を言わないアダムとエバでした。園の果物は、すべて食べても良いと、彼の自由でしたが、たった一つ、園の中央の木は食べてはならないと命じられていました。もし、ここで、エバが神さまに不平を言っていたら、どうなっていたでしょう。神さまは、これだけ全部を与えておきながら、不平を言うのは何事だと、エバの訴えを叱りとばしたでしょうか。それとも、神さまは説明されたでしょうか。サタンの誘惑に勝つようにと。園の木の実はまだ熟していないという理由があったのでしょうか。あるいは、まだそれを食べるには、アダムとエバの方が成熟していない、という理由があったかもしれません。
 なぜ、どうして、その疑問と不平を飲み込んだまま、次に出た行動が、いきなり神に逆らうということでした。
 最近ホテルや、チェーンのレストランに、「自由にご意見を伺わせてください」というようなカードがあります。フロントの対応が悪かったとか、レストランで出されたみそ汁が冷えていたというようなことを、直接訴えることができるようになっています。不満なお客というのは、お店にとって、最悪の状態を招きます。もうこの店には二度と来ないとなって、そのうわさが広まって、あそこのホテルは良くないと言われるようになる前に、お店は手を打ちたいのです。
  私たちの教会にも、目安箱がおいてあるではないですか。教会の設備について、説教や賛美歌のことについて、何でも良いから、みなさんの声を聞きたいのです。全く意志の疎通なしに、コミュニケーションなしに、教会を去ってしまう、そんな残念なことが多々あります。
 あまりにも多くの人が、神さまとのコミュニケーション・ギャップを持っています。何も話さないのです。どうやって不満を、不平を訴えたらいいのかわからないのでしょうか。自分を出すのが怖いのでしょうか。自分を出しても事情は変わらないとあきらめているのでしょうか。心の中に、不平がありながら、神に訴えることなしに、ただ一人でがんばっているなら、それは人生から神を閉め出していることに他ならないでしょう。
 ギデオンの祈りは「ああ」でした。ヘブル語で「ビー」です。旧約聖書に、わずか一二回しか出てこない、ため息とともに、何かを強く深く願っている声です。
 ギデオンの嘆きに対する神の答えは、一四節「ああのその力で行け。わたしがあなたを遣わす」、一六節「わたしはあなたといっしょにいる」でした。
 すばらしい答えです。すばらしい励ましです。しかし、何とも形のない、保証もない、幻想的な答えとも考えられます。

                ●しるしを

 そこでギデオンはもう一つの祈りをします。
一七節「お願いです。しるしを見せてください」
 共にいてくださるとおっしゃるけど、何のしるしもない、保証もないというのでは、私は行けません。たしかにあなたが私に語られ、あなたがともにおられるのだ、というしるしを与えてください。それはギデオンが勇者となるに当たっての、大胆な要求でした。こうして彼は、祈りの中で、勇士としての信仰を得ていきます。
 神は、疑い得ぬしるしをもってこの祈りに応えられます。
一九〜二一節「ギデオンはうちにはいり、一匹のやぎの子を料理し、一エパの粉で種を入れないパンを作り、その肉をかごに入れ、また吸い物をなべに入れ、樫の木の下にいる方のところに持って来て、供えた。すると、神の使いはギデオンに言った。『肉と種を入れないパンを取って、この岩の上に置き、その吸い物を注げ。』それで彼はそのようにした。すると主の使いは、その手にしていた杖の先を伸ばして、肉と種を入れないパンに触れた。すると、たちまち火が岩から燃え上がって、肉と種を入れないパンを焼き尽くしてしまった。主の使いは去って見えなくなった。」
 私たちに問題があるとしたら、しるしをギデオンのように求めないことでしょうか? いいえ、私たちは祈り中でギデオンのような大胆な祈りをしょっちゅう捧げています。「主よ、あなたがおられるなら……」「神さま、あなたが生きて働いておられるなら……」。むしろ問題がすれば、しるしをしかと受け止めないことです。
 昔、ある男が神に祈りました。
 「神よ、あなたがモーセにされたように、芝を燃やしてください。そうすれば、あなたに従います。神よ、あなたがヨシュアにされたように、壁を崩してください。そうすれば、戦います。神よ、あなたがガリラヤの湖でされたように、波を沈めてください。そうすれば、あなたに聞きます」
 男は、こう祈って、芝のそばに座り、壁のそばに座り、海のそばに座って、神が応えられるのを待ちました。神はこの男の祈りを聞かれました。火を送られます。しかし芝の中ではなく、教会の中に。壁を崩します。しかし石の壁ではなく、罪の壁を壊します。嵐を沈め、しかし海の嵐ではなく、心の嵐を沈めました。
 そして、神は、この男がどう応えるのかを待っておられたのです。神は待ち、そして待ちました。しかし、男は芝を眺めていただけで、心を見ることをせず、石の壁を眺めていただけで、人生を見ることをせず、海を眺めていただけで、魂を見てはいなかった。
 そこで、彼は結論します。神は祈りに対して何も応えてはくれなかったと。とうとう彼は神を見上げ、そして尋ねました。
 「神よ、あなたは奇跡を起こす力を失われたのですか?」
 そして神は男を見つめ、言われました。
 「どうしたことだ。おまえは、聞く力を、見る力を失ったのか?」
 しるしを受けていても、それを見抜くだけの信仰がなければなりません。
 いやそれだけではなく、私たちはいったん受けたしるしを土台に階段を上らなければ、いつまでたっても成長をしません。しるしを求めて、それが与えられた。次回、しるしを求めて与えられないと、あたかも神はおられないかのように、あたかも一度も祈りが応えられたことがないかのように、あたかも信仰が意味がないかのように振る舞うのです。それが私たちの問題です。
 主は私たちの求めに応じて、御自身が私たちに最善をなしてくださることを、様々なしるしをもって教えてくださいます。いったんそのしるしを受けたら、それを心に刻んで、信仰に成長し、その上で、次のことを祈ろうではありませんか。

                ●信仰のチャレンジ

 さて、ここが一番大切なところです。第三にギデオンは、祈りの中で勇士になるためのチャレンジを受けました。彼は、「ああ、主よ」と包み隠さず、疑問を不満を神にぶつけ、「お願いがあります」と実に大胆にしるしを求めました。しかし、それだけで勇士が作られるわけではありません。「その夜」、主はギデオンに仰せられました。
  二五〜二六節「あなたの父の雄牛、七歳の第二の雄牛を取り、あなたの父が持っているバアルの祭壇を取りこわし、そのそばのアシェラ像を切り倒せ。そのとりでの頂上に、あなたの神、主のために石を積んで祭壇を築け。あの第二の雄牛を取り、切り倒したアシェラ像の木で全焼のいけにえをささげよ。」
 なんという大胆不敵なチャレンジなのでしょう。主にいけにえを捧げる、つまり主を礼拝しなさい、という声なのですが、普通の礼拝ではありません。まず、あなたの父が持っているバアルの祭壇を取り壊し、そのそばのアシェラの像を切り倒せ、というのです。それだけではありません。そのアシェラ像の木を燃やして、主に全焼のいけにえを捧げなさい、と。
 父の所有ですから、無断でしたらどういう責めを受けるかわかりません。それを単純に取り除くのではありません。それを壊して、切り倒して、薪代わりに使って、牛のいけにえを捧げなさいというのです。まさに大胆不敵な行動を神は求めたのです。求められているのは、信仰の行動でした。唯一の神は、主のみである、他に神はいないということを確信して、行動するのです。
 今日、礼拝に来てくださいましたギデオンの方々の一番大きな悩みは、最近、中学校の前でも頒布しても、なかなか受け取ってくれない、ということでしょう。祈って準備をします。学校を下見して、どの位置で配れば迷惑にならないか、そんなことにも気を遣いながら、笑顔で配ります。でも、うさんくさい顔をして受けとってくれないのです。しかし、これこそ、ギデオン戦士の信仰の行動です。唯一の神は、主のみである、人を生かすのは神の言葉である、いまの日本の社会が最も必要としているのは、イエス・キリストの福音、神の言葉である、と確信して配り続けるのです。
 このチャレンジを受けて、戦士は成長します。ギデオンは、「主が言われたとおりにしました」とあります。しかし、それはギデオンにとって単純なことではありませんでした。彼が恐れと戦っていたことがよくわかります。
 二七節「彼は、父の家の者や、町の人々を恐れたので、昼間それをせず、夜それを行った」
  昼は人目を恐れ、夜になって行動しました。しかし、それはギデオンのジャイアント・ステップでした。大きな一歩を踏み出したのです。勇士が持っていなくてはならない資質があります。それは、敵ではなく、自分の中にある恐れを克服して、行動を起こすことです。自分の中の恐れと戦うのが勇士です。そのためには、勇士は絶対的な信頼を神に寄せるのです。
 小さな信仰が、この勇気ある行動によって、実質を伴ったものとなります。ここから勇士の信仰が成長をはじめました。いまはまだ、人目を恐れての夜の行動でした。しかし、やがて彼は多くの人々を率いて、大胆に敵と戦うように成長していくのです。

掲示物をメールで送信。 プリントプレビュー
DATE: 2003.07.03 - 16:17

221.114.25.29 - Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1)

Name   E-Mail   Password

 前文 聖餐式――神は世を愛され
 次文 何が祈りの力を奪うか(ヨシュアの祈り1・...
文章投稿 *^^*削除修正返答を書くリスト

チェックされた全文書を見る
34Simple view *^^*神を担ぎ出す愚かな大人と少年サムエル [1] fujimoto 2003.08.14 8770
33Simple view *^^*心を注ぎ出すハンナの祈り [1] fujimoto 2003.08.01 8967
32Simple view *^^*「この一時でも」――サムソンの祈り(シ... fujimoto 2003.07.14 7149
31Simple view *^^*聖餐式――神は世を愛され [1] fujimoto 2003.07.07 8984
30現在参照中の文章です...ギデオン――祈りの中から生まれる勇士 fujimoto 2003.07.03 9525
29Simple view *^^*何が祈りの力を奪うか(ヨシュアの祈り1・... [1] fujimoto 2003.06.24 19057
28Simple view *^^*主の御霊があなたとともに行くために・モー... [1] fujimoto 2003.06.12 8803
27Simple view *^^*モーセの祝祷(シリーズ14)  [1] fujimoto 2003.06.03 8490
26Simple view *^^*心は不思議に燃え fujimoto 2003.05.29 7659
25Simple view *^^*モーセの祈り(2)――とりなしの祈り(シリ... [1] fujimoto 2003.05.08 9671
24Simple view *^^*モーセの会見の天幕(祈りのシリーズ12) [1] fujimoto 2003.04.27 7867
23Simple view *^^*イースター「復活の主はあなたに出会う」 fujimoto 2003.04.23 8854
チェック項目を全て削除。 チェック項目を全て削除。

前頁 次頁
本頁が先頭ページです前へ戻る 31  32  33 次へ進む
文章投稿 *^^* 再読込
投稿者氏名を検索項目欄に追加/除去タイトルを検索項目欄に追加/除去内容を検索項目欄に追加/除去 メイン画面に戻る。... *^^*