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::: 高津教会 説 教 :::


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Name   fujimoto
Subject   不正な裁判官のたとえ
不正な裁判官のたとえ          
ルカ18:1−8

 イエスさまは、1節にあるように、いつでも祈るべきであり、失望してはならないことを教えるために、このたとえを話してくださった、と始まります。普通「不正な裁判官のたとえ」と呼ばれています。ある町に裁判官がいました。彼は神を恐れず、人を人とも思わない裁判官です。実際に4節で、彼は「私は神を恐れず人を人とも思わないが」と独り言を言っていますが、裁判官としては最低でしょう。
 裁判官が神を恐れるというのは大切なことです。以前にアメリカの凶悪事件がありました。ニューヨークで、クリスマスの時期になると連続して幸せな家族をねらって人殺しを繰り返してきた男が、裁判にかけられ、当時州の最高刑が終身刑です。判決が言い渡された後で、裁判官は彼に発言を許しました。
  彼は反省のかけれもなく、毒舌を残します。「これだけ殺人して、終身刑か。のんびり刑務所の中で過ごすことにする。正義とはありがたいものだ」。その時、裁判官は彼をにらみつけて言います。「正義を甘く見るな。地上では、おまえに対しての罰はこれが限界だ。しかし、残りは神から直接もらえ」
 裁判の背後にあるのは、神でしょう。この世の正義は十分ではありません。真実がすべて明らかになることなどあり得ないでしょう。えん罪事件もあり、検察の偏見もあるでしょう。ですから、裁判官たる者、人の義・社会の公正を越えた、 神を恐れ敬う心をもつものだろうと思います。しかし、それもありませんでした。ではせめて、人を人として扱ってほしいのですが、この裁判官にはそれさえもありませんでした。正義のかけらもない裁判官です。そこにやもめが訴えを持ってやって来ました。
 3節その町に、ひとりのやもめがいたが、彼のところにやって来ては、『私の相手をさばいて、私を守ってください。』と言っていた。
 まったく取り合ってくれません。すべて門前払いです。却下です。財力もない、コネもない、力のないやもめの正義など取り上げられるはずもありません。立場から言えば、ライオンと子羊です。町の人々はおもしろ半分に、毎日のようにやもめが裁判官の所にやってくるのを見ていました。しかしだれ一人として、やもめの訴えが取り上げられるとは思っていませんでした。
 裁判官の家です。玄関に人の気配がするので、しもべがだれかきっと出て行きます。ところが奥の部屋でくつろいでいる、この裁判官は、「また彼のやめもが来た」と直感するのです。この裁判官が外出すると、やもめは、つきまとうように哀願してくるわけです。「これほど言っても聞いてもらえませんか。お願いです。聞いてください」。不正な裁判官はほとほと疲れてしまいました。そして、やもめの訴えを取り上げることにします。「しょうがない。裁判をしてやることにするか」。ライオンが子羊に負けたのです。

                            ●子羊がライオンに勝つ

 ここに、このたとえの第一のレッスンがあります。子羊がライオンに勝ったのです。勝利の秘訣は何でしょうか? 執拗さ、ねばり強さ、あきらめないことが大切でしょう。しかし、失望しないようにとおっしゃったイエスさまの心はもっと深いことをお考えになったのではないでしょうか。
  それは、このやもめの信頼です。裁判官に対する信頼。自分のやっている行為に対する信頼。正義に対する信頼です。先日、テレビの特集でカンボジアの若い弁護士さんたちのニュースを見ました。ポルポト政権下で、独裁政治がしかれ、司法が地に落ち、ただ権力だけが社会を支配していました。いつのまにか、人々は法律を意味のないものとし、正義を無駄なこととし、ただ自分の利益をがむしゃらに力で守ってきました。暴力に負け、脅しに負けていく社会です。
 法律学校ができて、新しく育っていく若い弁護士さんたちは、正義の力を信頼して、自分のやっている仕事を信頼して、羽ばたいていくという特集でした。なにも信頼できない世界で、最終的に信頼が勝つのです。子羊の信頼に、とうとうライオンが負けるのです。子羊が戦っていたのは、ライオンのような裁判官だけではありません。彼女は、信頼と希望をもって、自己中心な、神をも恐れない、人と人として互いに尊敬することもない、この世界と戦っていたのです。子羊の信頼と希望は、力強いのです。

                             ●まして神は
 
 「主は言われた。『不正な裁判官の言っていることを聞きなさい。まして神は、夜昼神を呼び求めている選民のためにさばきをつけないで、いつまでもそのことを放っておかれることがあるでしょうか』」(6−7節)。
 7節「まして神は……」です。不正な裁判官でさえ、やもめの信頼に押されていったとしたら、まして神は、あなたの信頼を裏切ることはない。
  キリスト教が、戦い続ける二つのイズムがあるといわれます。イズムとは、主義です。一つは、エゴイズム(自己中心主義)です。自分の、自分による、自分のための人生。私が、私は、私の、私を、私のもの。私の人生、私の家族、私の仕事、私の車、私の身体、私の幸せ、私の老後、という利己主義です。
 でもキリスト教は、もう一つのイズムにも果敢に戦ってきました。それは、シニシズム(冷笑主義)です。どーせだめだから、だって私はつまらない人間だから、でも神さまは所詮、私のことなんて……。どーせ、だって、でも。一見現実的でもあります。しかし、これが信仰の腰を折ります。
 この冷笑主義を打ち砕くために、イエスさまはおっしゃったのです。「まして神は……」不正な裁判官でさえそうなら、まして神はあなたの信頼に応えないわけがあるでしょうか?

                              ●ではあなたは?

 「まして神は……」としたら、では「あなたは?」とイエスさまは信仰の挑戦を与えておられます。
 8節「あなたがたに言いますが、神は、すみやかに彼らのために正しいさばきをしてくださいます。しかし、人の子が来たとき、はたして地上に信仰が見られるでしょうか。」
 リビングバイブルは、良い訳をしています。
 「神さまはすぐに答えてくださるのです。ただ問題は、メシアの私が帰ってくるとき、いったいどれだけの人が信仰を持って祈り続けているでしょうか。」
 文脈を考慮しての意訳ですが、見事です。「ただ問題は」ということです。つまり、神さまが必ず裁きをつけてくださるということについては、問題はない。問題は、いったいどれだけの人が、信仰を持っ祈り続けているでしょうか。まさに、これが、この箇所のテーマです。
 イエスさまのこの質問は、私たちに対する挑戦です。答えるのは、私たち一人一人です。いったいどれだけの人が、という意味ではなくて、果たして、あなたは、そのとき信仰を持って祈り続けているか、です。わたしは、計画をもってあなたの祈りに応える。しかし、わたしが応えようとするその時、あなたは果たして信仰をもって祈り続けているだろうか?
 神さまについては、問題ありません。問題は、あなたです。果たしてあなたは、そのとき信仰を持って祈り続けていますか。
 そして、イエスさまはぐーっと挑戦の幅を伸ばしておっしゃいます。わたしが再び地上に戻ってくるとき、果たしてあなたの信仰は大丈夫か?
 
 もうすぐ私たちの教団は年会を迎えます。私たち牧師はみな、一年任命ですから、高津に任命されることもあれば、他の教会に任命されることもあるでしょう。高津のように、ほとんど牧師が代わらない教会もあれば、5年に一回ぐらい変わっていく教会もあります。何十年も変わらなくても、その後、堰を切ったように、次々に変わっていく場合もあります。 教会の頭(かしら)は、同じ主イエスさまであり、やってくる牧師も同じ信仰とスピリットを持っていますが、しかしそれでも個性は違いますでしょう。牧師がずっと同じというのも、同じように信徒の方には苦労をかけますが、しかし、めまぐるしく変わりますと、少なからず心配です。
 しかし、そうして私たち一人一人は、牧師も信徒もみな、様々な信仰的な山坂を超えていくのです。牧師が転任したぐらいで、教会に一つ二つのつまずきがあったぐらいで、私の信仰は大丈夫です、と私たちは答えなければなりません。主よ、大丈夫です。あなたが再びおいでになるときまで、私はこの信仰を守っていきます。高津の教会は、そのような兄弟姉妹で溢れています。そのように主に申し上げることができるのです。

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DATE: 2004.03.10 - 15:01

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