※シンガーソングライターMigiwaさんをお迎えして(司会は藤本牧師)のコンサート礼拝でしたが、大変良いMigiwaさんのお証しが聞けました。 読みたい方は「聖日説教」にアクセスししてご覧ください。 ここでは、藤本牧師の短い約10分のメッセージだけを掲載しております。
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☆聖書箇所 へブル2:6〜8a
6ある箇所で、ある人がこう証ししています。 「人とは何ものなのでしょう。 あなたがこれを心に留められるとは。 人の子とはいったい何ものなのでしょう。 あなたがこれを顧みてくださるとは。 7 あなたは、人を御使いより わずかの間低いものとし、 これに栄光と誉れの冠をかぶらせ、 8 万物を彼の足の下に置かれました。」
☆説教 アドベント(1)神に心を留められている私たち
今年はずっとへブル人への手紙を見てまいりました。 元旦に開いたところに、もう一回戻っていただいて、全然違う角度からお話しをしたいと思います。 へブル人への手紙の2章のこのわずか6節と8節。 これはダビデの詩篇、詩篇8篇が引用されています。 そこをちょっとお読みします。
6ある箇所で、ある人がこう証ししています。 「人とは何ものなのでしょう。 あなたがこれを心に留められるとは。 人の子とはいったい何ものなのでしょう。 あなたがこれを顧みてくださるとは。
この「人とは何ものなのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは」が、今年の元旦の聖句でありました。 この「人」という時、へブル人への手紙では、これはキリストを指します。 でもダビデにとっては、これは自分自身なんですね。 「人とはいったい、私とは何ものなのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。」 「人の子は」という時も、ダビデにとっては自分です。「いったい何ものなんでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。」
皆さん、この時期、私たち牧師やまたMigiwa さんやオリーブは、季節労働者と言われています。 それはMigiwaさんのように普段暇であるという意味ではない。 牧師は普段暇なんです、だけどこの時ばかりは、と思って頑張らなくてはいけないのがクリスマスなんですね。
私たちは皆、厳しい暑さの3か月を過ごしました。皆さんの中にはコロナに罹った方も多かったんですね。 それから、その後遺症が随分秋を引きずった、という方も多かったですし、小さな子どものいらっしゃる家庭では、皆さんインフルエンザに苦しみました。 ゆっくりと秋を楽しむこともなかなかできませんでした。
私自身は9月から始まりましたオンライン講座がちょうど先週終わりましたけれども、 動画を25本講義で撮りましたので、これはこれはしんどかったです。 圭子(夫人)はアメリカからやって来た(娘と)孫のために骨身を削るという、こんなに疲れた妻の顔は見たことがないほど、注ぎ出して頑張っていました。 喜びであり、忙しい日々でありました。
先日、桂町教会の、私の親友の矢木先生が、ま、太平洋放送の常務理事をしておられる関係でお電話をくださいまして、 「先生、ごめん。ラジオの『世の光』の番組に説教に穴が開いてしまった。で、悪いけど、埋めてくれない?大体分かっているでしょう?」と言うから、 「勿論、勿論引き受けます」と言った後で、 しばらくして、依頼状のメールが『世の光』から届いたんですよね。 で、私は全く分かってなかったです。 ラジオの説教2分45秒〜55秒の間に納めろって書いてあるんですよ。 それを6回やれと。 しかも世の中一般に説教するので、分からない言葉や、他の宗教に対する批判や、その条項が沢山あるんですね。
以前ラジオで三浦綾子さんの小説を読んだりしていた、あの(I)Yさんから、私は様々にラジオの放送の難しさ――映像が無いんだけれども、声に気持ちを込めるということの難しさを、聞いたことがあるんですよ。 そして一度教会のために聖書朗読をやってくださった時には、その収録室に閉じこもっているかのように、静寂の中、聖書朗読ってこうやってできるのかというほどの朗読をしてくださったんですね。 あれは新年聖会の時だったと思うんですけれども(笑)。 私は日頃から、一秒間違いなく終わる原稿を、それって一体どういう技術なんだろう?(笑・と思っていました)。
私の場合は、何回やってもカムんですよね。カムと焦って、つい早くなってしまう。 そして心取り直して、もう一回落とす。でもどんなに字数を勘定して、そこに行くようになっても、そこの枠の中にはまらない。 で、今週の水曜日、お祈りいただきたいと思うんですけれども(笑)、6回の説教を収録するために、なんか丸一日かかるような気がしました。 申し訳ない言い方をすると、実質も分からずに易々と引き受ける説教ではなかったなぁという風に思いました。
先週、神学校の授業の合間に、近くのカフェに連れて行ってもらい、ランチを食べました。 そこはもう60年もある丘の上の商店街で、全部店は閉まっているんですよ。 その一番奥にカフェがあるんですよね。 おおよそ誰も行かないだろうなぁと思う、「え、こんな商店街に足を踏み込んだら、何が出て来るか分からない」 周囲は高級住宅地なんですけれども、その丘の上の一角だけがものすごく古いんですね。寂れている。
でもドアを開けますと、お店の中は、絵本や小物で夢の世界のように輝いていたんです。 そして連れて行ってくださった方と、ゆっくりお昼を食べて、私はとっても癒されました。 ああ世の中には、こういう空間を、自分の人生で持てる場がなければいけない。 人それぞれ、どんなに忙しくても、どんなに目まぐるしくても、そして外はボロボロであっても、 きちっと整えられた空間に身を置いた時に、そしてゆっくり話をしてくれる方と話をしていると、人はこんな風に癒されるんだということが私にはよく分かりました。
ダビデが人とは何ものなのでしょう、と言う――自分ですね。 人の子とは何ものなのでしょう、と――それは神さまが顧みてくださる、神さまが心を留めていてくださる私って、いったい何ものなんだろうか?っていうのは、 疑問文ではありますけれども、これは感嘆文ですよ。感激しているんですね。 このダビデの感激を、私たちは――この12月非常に忙しい――そしてアドベントの第一の聖日に改めて考えてみなければいけない。
「顧みられる」という言葉はイエスの誕生前に「マリアの賛歌」(***ルカ1:46〜55)に出て来ます。 それから「ザカリヤの賛歌」(***同1:67〜79)にも出て来ます。 神さまは「私たちを忘れずに、訪れてくださる」というのが、「顧みる」という言葉の意味です。 聖書のどこを探しても、神さまが大自然を顧みるとは書いてありません。 神さまが森の動物たちを可愛がる、大切にするとは書いてありません。 それどころか、神さまが天使を心に留める、という記事もありません。 神さまは私を、あなたを顧みて、大事にしてくださる。心を留めて、大切にしてくださる。 だからこそ御子イエス・キリストは私たちと同じ姿を取り、私たちの罪を背負い、そして十字架に架かり、死から贖い、私たちが神の子どもとなる新しい道を開いてくださいました、とへブル人への手紙をず〜っと私たちは勉強して来ましたよね。
単純に(今朝の)メッセージは、《神さまがあなたをそこまで大事にしてくださり、顧みてくださるのだから、少しは自分を大事にしなさい》です。 あんまり自分を追い込んだり、色々と引き受けたり、余裕を失ったり、祈る時間もないほどに忙殺されずに、もう少し自分を整え、クリスマスにふさわしくしなさい。
小さなカフェが外の建物がボロでも、扉一つ開けたら、きれいに整えられているかのように、あなたの心の中を整理しなさい。落ち着きなさい。 家の中の余計な物を捨てる以上に、あなたの心の中の余計なものを捨てなさい。 仕事が間に合わない。追いつかない。ああ時間がない、ではない。 「わたしはあなたのことが心配だよ」と、神さまは私たちに仰る。 「わたしを迎えられるように、自分を大切にするアドベントでありなさいね」というのが今朝のメッセージであります。 【※「わたしがあなたを休ませる」(***マタイ11:28)とイエスさまが招いておられます。】
☆お祈りをいたします――藤本牧師
恵み深い天の父なる神さま、「私たちがもし扉を開けるなら、あなたが私たちの心の中に入って来てくださる」(***ヨハネの黙示録3:20)と、聖書の中にあります。でも実際は、扉を開けないのは、あまりにも心の中がぐっちゃぐっちゃだからかも知れません。或いは、もしかしたら開ける余裕もないほど、あなたの戸を叩く音が聞こえないのかも知れません。
私たちがこの世界にあって、「ああ、このお店に入ると心が落ち着くなぁ」と思うのであったとしたならば、あなたが私たちの心を叩いた時に、中に入って座ってくださる時に、「ああ、あなたの心は安らかだねぇ」と言っていただけるような、喜んであなたを迎えることができるように、私たちの心をきよめてください。
私たちに時間を与えてください。私たちに余裕を与えて、みことばの力をもって私たちをきよめ、聖霊の力をもって私たちに余裕を与え、Migiwaさんの賛美を聴き、またクリスマスの様々な賛美歌を聴く度に、いま自分はアドベント、クリスマスに向かって一歩一歩進んでいるんだ、ということを自覚することができるように助けてください。イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン。
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LAST UPDATE: 2023.12.03 - 22:57 |
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